旅をしながら「アルケミスト」を読んだ。
東南アジアを旅しながら何か読みたいな。
と思いながら本棚を見たらアルケミストが目についた。
薄い本だし旅だし!!!
という事で、アルケミストをバックに放り込む。
他にもビジネスの参考書と、感情の取り扱いの参考書を持ち込んだけど、
何度も開いたのは、「アルケミスト」だった。
・・・
マカオ空港からマニラ空港に移動する飛行機の中で、
仲良くなったフィリピーノに「何読んでるの?」と聞かれて、
「アルケミスト ユーノー?」と答えたら。
少し、驚いた感じで、そんなの読んでるの?
えっ趣味ちかいじゃーん!みたいな感じになった。
ヨガはするの?メディテーションはするの?
ペンタグラムメディテーションってしってる?
腕とか足を60秒ずつ感じていくんだよ。
などなど、色々、教えてくれました。
(英語が分からないので、ジェスチャーばかりでしたが。。。)
そんな感じの楽しさも、この本からもらいつつ、
やはり、内容にはいくつもの刺激がありました。
文章から、気になった部分を引用して、
僕の感想を書いてみます。
アルケミストの文章を引用した感想。
「世界最大のうそって何ですか?」と、すっかり驚いて、少年は聞いた。
「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」
一番最初に線を引いたシーンがここでした。
僕は今、31歳で少し迷っている所があります。
それは、自分の人生を自分の意識で作り上げていくのか、
流れを感じながらどこまで上手く反応していくのか。
という2つです。
老人が少年に教えている世界最大のうそ。という言葉は、
その両方とも正解だと思わせてくれる言葉でした。
老人は話し続けた。
「結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ」
何かを決める時、本当に自分のしたい事を優先しているのか、
自分を信頼して決められているか、ドキっとした一文。
『では、たった一つだけ教えて上げよう』とその世界で一番賢い男は言った。
『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油の事を忘れないことだよ』
これ、分かるなー。こういう反省する時多いなー。と思い線を引きました。
例えば、僕は今、自分の感情の解放に取り組んでいますが、
それをしている間にも、沢山の感動や刺激があるのにも関わらず、
見逃してしまっている事ってあると思います。
体験と出会いながら、個人のテーマに取り組みながら。
これは意識していきたいところです。
ビジネスだったら、チャンスと強みあたりですね。
「おまえが何か望めば、宇宙のすべてが協力して、それを実現するように助けてくれるよ」と老人は言ったのだった。
卑屈になったり、おごったりしているうちに、
そういうサポート先を残念な気持ちにさせてる様な気がしたり、
あぁ、もったいない事はしないようにしないとなー。
と何となく思います。
彼は自分の運命から逃げないために、聞いてはいけないことがあることを学んだのだ。「自分の意志で決定すると約束したんだ」と少年は自分に言った。
ビジネスだと、いかに助けてもらうかを考える練習をしている僕ですが、
人生においては、自分で決める練習をしている僕です。
この少年の気持ちが真っすぐに伝わってきました。
あせるのはやめて、のんびりと、タンジェの狭い通りを歩いてみることにした。そうすることによってのみ、前兆を読むことができるのだ。
そうそう、あせっていると、物事が上手く進まない。
経験では、あせって決めた事は後で回収が必要になることが多い。
やり直しが面倒なので、あせって決めなくてはいけないな。と感じるときは、
あえて決めないで、感情を感じて、体の振動を把握する様にしています。
「商売が本当にうまくゆくようになった」と商人はお客が帰ってから少年に言った。「前よりずっとうまくいっているから、おまえさんも、まもなく、羊のところへ戻れるだろう。それ以上、何を望もうというのかね?」
「前兆に答えなければならないからです」少年は思わずそう言ってしまってから、自分の口にしたことを後悔した。商人は王様と会ったことがないのだ。
正直な感想は、強引な言い回しだなー。というもの。
僕は少し引きました。
こんな年下がいたら、「あっ、話あわねーな。」「子供だなー」と思うだろうな。
ただ、自分が少年だとしたら、こういう事を言っていたいと思う。このジレンマ。
幸運が自分の側にある時は、それを利用しなくてはいけません。そして、それが私たちを助けてくれるうちに、でいるだけのことをしなくてはなりません。それを幸運の原則と呼びます。あるいは初心者のつきとも言います。
これも強引だなー。と思いました。
幸運の原則って。。。と、引いてしまいます。悪い癖です。
ただ、幸運が自分の側にある。っていうのは、何となく分かる感じがします。
「今、のってる!」「地に足がついている」「やれている」と感じる時、
「嫌、一時かもしれない」「調子にのってるよ。落ち着け!」「バカ!そんな事つづくか?」
というような、弱気な声だけでなく、
それでも、やりたいと思える運命を信じようと思う心を育てていこうと思ったシーン。
「人生に起こるすべてが前兆なんだよ」とイギリス人は読んでいた雑誌を閉じながら言った。
前兆の理解が中々難しくて、
僕はずっと、前兆とは、出来事の解釈だと思っていました。
しっかりと五感をはって、情報をとり続けて、
その情報を読み解いて、繋げて意味を汲み取っていく。
このイギリス人のいう前兆と、後に出てくる錬金術師のいう前兆には、
少し違いがあって、ニュアンスでしか伝えられないのですが、
前兆は現実そのものなんだな。と、
解釈や読み解きは必要ないのだな。と、
振り返りながら感じたときに線を引きました。
人は、自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、未知を恐れることはない、
シンプルに、そうだなと。
これは、何度も読み返して思い出したいなと思った。
私たちは持っているもの、それが命であれ、所有物であれ、土地であれ、それを失うことを恐れています。しかし、自分の人生の物語と世界の歴史が、同じ物の手によって書かれていると知った時、そんな恐れは消えてしまうのです。
ここについて考えすぎると、
この本の目的とかテーマがよく分からなくなってきてしまうのですが、
恐れが無くなるヒントであれば、それは知りたいなと思いました。
やっぱり、最終的に自分の命の所有感を手放す事が出来たら、
やる事、考える事、など色々、変わってくるのかなー。
夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。あせってもいけないし、いらいらしてもいけなかった。もし、衝動にかられて先を急ぐと、神様が道すじに追いてくれたサインや前兆を見落してしまうだろう。
こういう気持ちでいられる時。
こういう姿勢でいられる時。
最近、やっと、こういうシーンが人生に増えてきました。
冷静でワクワクしていて、少し客観的で、もの凄く主観的。
この感じでいつも過ごせるといーなーと、
ここの所の目標です。
「そんなにあせることはないよ」と彼は自分にくり返して言った。「らくだ使いのおじさんが言っていた通りだ。『食べる時には食べる。そして動く時が来たら動くのだ』」
咲ちゃんに、何度も何度も言われて、未だ出来ていない事。
こういう「生きる」という基本的な事をしっかりと出来る様になりたい。
知り合いがサハラ砂漠を走るマラソンに出場した時の話を聞かせてくれた中で、
強く印象に残っている話は、
「寝る時に寝ないと、次の日が持たない。だから、真剣に寝る。」という部分。
便利な都会に住んでいると、生活をサポートしている事があまりにも多すぎるので、
一つ一つの行動がおろそかになってしまう感じもする。
人生の秘訣がゴールではなく、プロセスにあると思っている僕としては、
このシーンは何度も読み返したいと思った次第。
「もし、悪いことが起こることになっていて、それを前もって知っていたら、おまえさんは、まだ起こらない前から、苦しまなければならないだろう」
手塚治虫さんの漫画「ブッダ」に登場する、
アッサジが予知能力を身につけた時、
近所の奇麗な女性が未来の自分の姿を聞いて、
ガッカリして帰っていくのを思い出した。
「男は出ていくことよりも、家へ帰ることを夢見るものです」と少年が言った。
登山家の小西さんの講演会に参加した時に、
登山の目的?目標?は「家に帰る事です。」と言っていたのを思い出しました。
ストーリーコンサルタントなどの本で、最後は回帰で締めくくる事を見ても。
元の場所に戻る為の冒険。という意識を持つ事は、冒険を楽しむ為に、
使える考え方な気がしました。
旅をしていて、色々な人に出会いますが、
家がある人と、家が無い人では、話をしていると、
何となく違いが分かる感じがします。
どちらよい。という話ではないのですが、
なんとなく、家がある人の方が楽しそうだなと思ったりします。
幸せな人はみな、自分の中に神を持っていると、心は言った。
自分の心がこの言葉を言うあたり、アルケミストっぽいですが、
自分と相手の間に神がいる。という言葉も同時に思い出しました。
・自分が想像主(カントの我思う故に我あり。あたりの話。)
・人生は輪廻で産まれる前に決まっている(生きがいの創造。あたりの話。)
・お互いの世界がお互いに影響している(参考が思いつかず、、、)
この辺りを整理したいと思う欲求が高まります。
チベット密教のゾクチェンが、この3つを土台にしていると勉強した事があります。
愛は男が運命を追求することを決して邪魔しはないない、と言った女性と出会えたことを、彼は感謝した。
この現実を作れる男性は、僕の中ではスーパーマンですね。
単に言っているだけでなく、
この物語の雰囲気を踏まえた状態で、同じような感じで口からこの台詞が出てくるとしたら、
僕としてはうらやましいの一言です。
コメント