シュタイナー教育としてのクリスマス(アドヴェント)を体験した話

我が家の小人(こびと)がこしらえた、ヨセフとマリアが馬小屋に毎日近づく飾り物
我が家の小人(こびと)がこしらえた、ヨセフとマリアが馬小屋に毎日近づく飾り物

小人と一緒に生活をしているという設定の我が家

我が家には子ども用に小人(こびと)がいる設定でして、
クリスマスが近づくと小人が玄関の棚に飾り物をこしらえてくれます。

飾り物にはヨセフとマリアの人形と馬小屋のオブジェがあり、
夜中にヨセフとマリアの人形が少しずつ馬小屋に近づいていきます。
そして、キリストが生まれる時、馬小屋にヨセフとマリアが到着します。

朝、子どもが起きると、
「また小人たちが人形を動かした!」と、
楽しそうに話しかけてきます。

これはアドヴェントというイベントの一部で、
アドヴェントはドイツで一般的に行われているキリストの生誕を祝う儀式です。

シュタイナーさんがドイツ人だったことから、
シュタイナー教育ではアドヴェントが色濃く取り入れられています。

長男と次女がミツロウ蝋燭で作ったヨセフとマリアの人形など

長男と次女がミツロウ蝋燭で作ったヨセフとマリアの人形など

神奈川と山梨の県境の藤野にあるシュタイナー学園に子どもが入学して、
高井家にもアドヴェントがやってきて夜になるとろうそくの火を囲んで、
「いえーすさまー、」と歌を歌う機会が突然増えました。

父親としてシュタイナー教育の理解が深まった体験でしたので、
自分の認識を整理するためと、シュタイナー教育に興味をお持ちの方へ共有用にブログします。

9歳の危機までは子どもの中のファンタジーを大切にする

シュタイナー教育では「9歳の危機」という概念があります。
9歳前後で大人に向けて意識が変わっていくというものです。

詳しくは以下をご覧ください。

・9歳の危機 | 学校法人 シュタイナー学園
https://www.steiner.ed.jp/activity/nl76-20200205/

私の言葉で書き換えると、
9歳までの子どもはファンタジーの世界にいて、
我々大人とは別の感覚や世界観で生きています。

時間、お金、人間関係、自分の将来、健康、美容などの人生コンテンツに不安や理想はなく、
単純な喜怒哀楽という名のファンタジーに包まれている様に見えます。

生まれたての赤ちゃんが、数ヶ月間、風邪などひかない無敵期間があるように、
9歳までのファンタジーはとても貴重な期間だと考えるとしっくりくるかもしれません。
シュタイナー教育ではこのファンタジーを大切にすることを徹底しています。

よく、一般的な公立学校とシュタイナー教育の比較で目立つ違いに、
子どもにテレビやスマホでYouTubeなどの動画コンテンツを見せない方針があります。
これはテレビに出てくる現実的な話題を意識的に避けることが目的です。

戦争、事件、経済、政治、大人のエンタメ、などなど
そういう情報は大人向けで刺激が多かったり、情報量が重かったりします。
それらはファンタジーの世界観には存在しえないものなのでしょう。

この期間でシュタイナー教育に求められる家庭内で行う教育は、
安心、安全、安定な空間で落ち着きやリズムのある生活をおくることや、
ちょっとしたユーモアを楽しむことくらいな気がします。
(我が家でそれができているかは不明ですが、、)

 

 

長女のアドヴェントカレンダー

長女のアドヴェントカレンダー

長男のアドヴェントカレンダー

長男のアドヴェントカレンダー

次女のアドヴェントカレンダー

次女のアドヴェントカレンダー

とはいえ、私は9歳までファンタジーを重要視する教育を受けていません。

私が子どもの頃、我が家にはサンタクロースは来なかった

余談ですが、私の実家には小人どころかサンタクロースも来ませんでした。
クリスマスは父親におもちゃ屋に連れて行ってもらって、
普段は買ってもらえないファミコンのカセットを買ってもらえる特別な日でした。

クリスマスはキリストが生まれた日だと言うことを知って、
なんで、キリストが生まれた日にプレゼントを貰えるのか、
不思議に感じたのをうっすらと覚えています。

私の実家のクリスマスはこれはこれで、
子どもだった私にとって最高に特別で素敵なイベントだったのですが、
ファンタジーな世界観ではなかったと思います。

結果、私は私で大人になり好きなことをしたり、
かわいい子どもと戯れたりして楽しく生きているわけで、
ファンタジー期間を注視した教育がなかった事を残念には感じていません。

多分これは、自分の子どもの教育を使って、
9歳までのファンタジー期間を大切に守ることが、
その人の成長プロセスに本当に良い影響をもたらすのか? という事を試しているのだと思います
言ってしまえば親の好奇心なのだと思います。

この意味で我々夫婦の教育遊びとして、
シュタイナー教育のファンタジー期間を大切にする考え方に沿って、
せっかくだし、小人もサンタクロースも使って、
子どものファンタジーな世界観を作り守ってみようと思っています。

ファンタジーを大切にして得られることは何だろう。と考えてみた。

なぜ、子どもの中のファンタジーをここまで大切にするのでしょうか。
私なりに考えたことは以下の3つです。

  1. 産まれてから9歳までにしかないファンタジー期間を味わってもらいたい
  2. 現実性に惑わされない想像にひたる力を身につけてもらいたい
  3. 物事は本質や土台があるという考え方を無意識に植えつけたい

以下、1つずつもう少し深ぼってみたいと思います。

1、産まれてから9歳までにしかないファンタジー期間を味わってもらいたい

ファンタジーと聞くと40歳のおじさんは、
ファイナルファンタジーやディズニーランドを想起します。

後者のディズニーランドはファンタジーを徹底したエンタメではないかと思います。
舞浜駅を降りて入り口に近づく一歩一歩が既に楽しくて、 音、匂い、キャラクターなどと
どんどん世界観に引き込まれていきます。

共感していただける方も多いのではないでしょうか。

ディズニーランドは現実を排除するために、
中に入ると外のホテルなどの建物が見えない構造になっていたり、
外界情報の一切が遮断されているらしいです。

すごいです。。

多少強引な繋ぎで恐縮なのですが、
9歳まではディズニーランド以上にファンタジーな世界観が、
日常生活だったりするのではないかと思います。

大人がディズニー系ホテルに一泊するだけでもすごいワクワクするのに、
9歳までの子どもは毎日毎日24時間、
前提としてファンタジーが続いているのかもしれません。

本当にそうだとしたら、それはもう奇跡だと思います。
100年くらいは生きるであろう人生の中で、
9歳までの日常がファンタジーに包まれているとしたら、
この貴重なファンタジーを余計なコンテンツで邪魔したくない。

親としてそんな風に思いました。
私が思うにこのファンタジーはちょっとやそっとの出来事では崩れませんが、
ちゃんと崩せば崩れて、現実的な思考が目覚めてしまうものだと思います。

現実に目覚める必要がない場合で、
子ども本人の意識が現実に目覚めていない期間は、
奇跡的なファンタジーを味わってもらいたい。
そんな感じになります。

2、現実性に惑わされない想像にひたる力を身につけてもらいたい

ファンタジーに存分に浸ることで、
大人になって現実世界に生きる時に、
ファンタジーに想像したり夢を追ったりすることが、
しやすい人になるのではないかと考えています。

日常生活を送っていると夢みたいな事を考える事が減ると思います。
仕事をしたり、子育てをしたり、毎日忙しいと、
何が気持ちいいとか、何にワクワクするかとか、
そんな事を考えている場合じゃない事が多いと思います。

でも、やっぱり理想やワクワクすることを、
今やっている事を全て止めてでも想像することの方が、
人生にとっては大切なはずだと思っていまして、

現実的な日常生活の中であっても、
想像することができる人になってもらいたいと思っています。

また、これは賛否両論あると思いますが、
空気の読めない自己中心的な夢追い人になってもらいたいとも思っています。

結局のところ、空気を読めない人に対して、空気を読める人が合わせているが、
社会だと思ったりしていて、 世渡り上手になるより
不器用だけど自分がどこに向かっているか知っている人の方が、
得をする事が多い様に感じています。

こう書いていると、 私自身が人に気を遣って生きている事の窮屈さを、
子どもの教育コンテンツにぶつけているだけにも感じられますが、
その辺りも把握しつつ、ここは前に進めていければと思います。

その意味で、私も今から、現実的な生活や活動に取り組みながら、
理想やワクワクすることを想像することを大切にしたいと思います。

3、物事には本質や土台があるという考え方を無意識に植えつけたい

日本のクリスマスのイメージは、
小田和正やマライヤキャリーのクリスマスソングや、
家族でチキンを食べたり、恋人たちのデートなどでしょうか。

でも本来、クリスマスというのはキリストの誕生日で、
宗教がその始まりを象徴的に表現した形が、
月日が経つに連れて進化した結果が今のそれだと思います。

街がキラキラしているだけの日ではなくて、
元を辿れば、キリストさんが生まれた日なんだと、
キリスト教にとってはかなり特別な日で、
それが色々と形を変えて、今のクリスマスになっているんだな。と、
そう理解しておくことで、クリスマスの特別感が深まるのではないかと思います。

結果、創造性が高まるのではないかと思っています。
私がシュタイナー教育から感じるのは、
こういった、物事の背景からインプットする事で、
物や事の本質に興味を持たせたり、意識を持たせるのを大切にしているこという事です。

例えば、高校生になってスマホを持つ前に、
スマホは物理的にどんな仕組みなのかなどを勉強してから、
実際にスマホを使い始めたりするそうです。

まだ私の子どもが小学2年生で、
親としての体験が浅いところで事例が少なく、
無理やりまとめてしまうと、

スマホってそもそもどんな構造なんだろう。
家ってどうやってできているんだろう。
赤ちゃんってなんで病院で生まれるんだろう。
仕事って、政治って、教育って、というように、
生活の中の出来事や新しく触れる体験について、
そもそも論や、構造に興味を持つ人になってもらいたいと思っている。
ということです。

以上になります。

我が家には小人がいる。
という話題から大分逸れてしまいましたが、
シュタイナー教育に本格的に触れてもう少しで2年が経とうとしていますが、
その感じをシュタイナー教育に興味を持っている方に、知ってもらえるといいなと思っています。

シュタイナー教育に感動した時、
また、次の内容を書かせていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

我が家の小人(こびと)がこしらえた、ヨセフとマリアが馬小屋に毎日近づく飾り物

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